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SN100C採用のバッテリーカー「ウルトラ・コミュータ号」 PDF プリント メール
2007/11/29 木曜日 18:37:21 CST

 日本スペリア社製鉛フリーはんだ「SN100C」採用のバッテリーカー「ウルトラ・コミュータ号」が、世界最大のソーラーカーレース「パナソニック・ワールド・ソーラー・チャレンジ」の「グリーンフリート・テクノロジー・クラス」で、オーストラリア大陸3,000kmを縦断走破。

オーストラリア大陸3,000kmを縦断走破!
 10月21日から28日までオーストラリアで開催された世界最大のソーラーカーレース「パナソニック・ワールド・ソーラー・チャレンジ」の「グリーンフリート・テクノロジー・クラス」で、日本スペリア社がスポンサー協力し鉛フリーはんだ「SN100C」を提供したバッテリーカー、「ウルトラ・コミュータ号」が全行程3,000kmを完全走破。10月21日朝のスタートから6日目の27日午後、無事終着地点にゴールインしました。


SN100C採用の“未来の町乗りエコカー”
 「パナソニック・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(注1)は、クリーンエネルギーのPRを目的に2~3年に1度開催されているソーラーカーレースで、1987年のスタート以来今年で20年目、9回目を迎えます。コースは、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの全長約3,000km。オーストラリア大陸を縦断する世界最大規模のソーラーカーレースです。距離の長さだけでなく、砂漠地帯の悪路や野生動物の出没など、オーストラリア大陸の大自然が容赦なく襲いかかる過酷なレースとして知られています。今大会には、日本を含む世界各国から、40台のソーラーカーと19台のエコカーが参加しました。

 本レースのカテゴリーは、従来規定のソーラーカーで参加する「アドベンチャー・クラス」と、今大会のために新たな規定で製作したソーラーカーで参加する「チャレンジ・クラス」の2つ。チャレンジ・クラスでの優勝が総合優勝となります。(注2)

 また、このイベントにはこれらの「レース」とは別に、より現実的でエコロジカルな視点での「普通の乗用車」に目を向けた試みとして、前大会から「グリーンフリート・テクノロジー・クラス」(注3)というカテゴリーが設けられました。これは、太陽エネルギー以外、または太陽エネルギーとその他のエネルギーの組み合わせによるエコカーのカテゴリーで、「環境に優しい車」がテーマ。本大会では、低燃費車やエタノール、水素燃料電池、乾電池を使用した車など19台のエコカーが参加しました。そのグリーンフリート・テクノロジー・クラスに、日本スペリア社が協賛するリチウム・イオン・バッテリーで走る“未来の町乗りエコカー”、「ウルトラ・コミュータ号」(注4)が今回初めて参加しました。

 同車は、ニュージーランド・ワイカト大学の機械工学科とオーストラリアのハイブリッド・オート社が、「充電バッテリーで走る近未来車のプロトタイプ」というコンセプトで製作しました。またエコカーとしての注目すべき点は、環境に優しい鉛フリーはんだをいち早く取り入れたことです。電気系統の要所にSN100Cを採用、材料面でも環境に配慮した次世代エコカーとして注目されました。

 スポンサー企業の印として、日本スペリア社のロゴマークやSN100Cのステッカーが車体に4カ所(全車輪近傍2カ所、後部ナンバープレート上、車内電気系統部)と、先導車全体、連隊トレイラー背部に貼られました。


過酷な環境下でのSN100Cの信頼性を実証
 今大会でウルトラ・コミュータ号は、1日300kmから400kmを走行。ダーウィンからアデレードまでの約3,000kmの行程のうちおよそ1,900kmを、まず走りデータの取得に努めました。

 その結果、砂漠地帯の悪路での横転、破損などさまざまなアクシデントが発生した過酷なレースにも関わらず(注5)、鉛フリーはんだSN100Cを使用したはんだ付け部分にはまったく異常はみられませんでした。今回このレースを走破したことで、SN100Cの過酷な環境下での信頼性がまた一つ実証されたことになります。同車チームの技術者は、「次回のレースのために製作する車では、一部ではなくすべての接合部においてSN100Cを基本とした鉛フリーはんだを使用したい」と意気込んでいます。大会前日、日本スペリア社の西村哲郎社長は、ウルトラ・コミュータのチームと合流してテスト走行を視察。その後チーム全員との交流を行いました。その中で、実際にはんだ付けをした技術者からは、SN100Cのすばらしさへの賞賛と日本スペリア社の協力に対する謝意が述べられました。

 また今回の同車の走行には、ドキュメンタリー番組制作のためニュージーランドのテレビ局のクルーが全行程に同行するなど、 “未来の町乗りエコカー”としてのコンセプト、そして鉛フリーはんだを採用するなどのチャレンジングな試みに、多くのメディアに注目されました。

 大会を終えた同車は、オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンにあるハイブリッド・オート社で、今後数ヶ月かけて、鉛フリーはんだの接合部を含む車体の検査と走行データとの照合による詳細なデータ取得が行われます。その後ニュージーランドに送られ、国内デモ走行と展示が行われる予定です。

 なお、今大会のアドベンチャー・クラスの優勝者は日本の芦屋大学チームの「ティガ号」、総合優勝となるチャレンジ・クラスの優勝はオランダのヌーオン・チームの「ヌナ4号」でした(注6)。また、大会規定時間内にゴールのアデレードまで完走したソーラーカーは、両カテゴリー合わせて18台でした。


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(注1)石油エネルギーに頼りすぎた昨今の状況を憂うデンマーク出身の冒険家で実業家のハンス・ソルストラップ氏が、地球上に降り注ぐ太陽エネルギーを利用したソーラーカーのレースを行うことで、石油以外のエネルギーへの関心を持ってもらうことを目的に企画したのが始まりである。初回1987年から 3年ごとに開催、1999年以降は2年ごととなり、今年2007年の大会は開催20周年の節目を迎えた。戻る

(注2)今年の大会では、出場できるソーラーカーの車体に関して大幅な規定変更が発表された。大会カテゴリーは従来の規定でのソーラーカーで参加する「アドベンチャー・クラス」と、新たな規定に則って今大会のために製作したソーラーカーで参加する「チャレンジ・クラス」の2つに分けられ、チャレンジ・クラスでの優勝が総合優勝となる。新たな規定によるチャレンジ・クラスでは、ソーラーパネルの表面積が従来よりも小さく定められ、一般のレースカーのような寝そべる形の運転席が禁止となり、腰掛けスタイルにすることが義務づけられた。また、車輪も「四輪」と決められ、主流となりつつあった三輪のレースカーが使用できなくなった。これらの規定変更は、『レース』という性格上スピード向上を追求しすぎた結果、公道で行われる大会としては危険すぎるレベルに達してしまったソーラーカーの平均走行速度を緩める目的のほかに、ソーラーカーで培われた技術を『レース』だけではなく、普通の乗用車製作にも生かそうという大会全体の方向性が現れている。戻る

(注3)「グリーンフリート・テクノロジー・クラス」のカテゴリーに参加する車は、各々の燃料も技術もバラバラで、単なる「速さ」を追求した車ではないため現時点ではルールは定まっていない。速度を競う『レース』ではなくデーター採取を兼ねたデモンストレーションの性格を持つ。戻る

(注4)「ウルトラ・コミュータ号」は、1999年のワールド・ソーラー・チャレンジでオーストラリア・クイーンズランド大学の「サンシャーク号」チームを3位入賞に導いたマット・グレイブ氏が中心となり、オーストラリアのハイブリッド・オート社、ニュージーランド・ワイカト大学の機械工学科の学生とともにプロトタイプの近未来車として製作された。充電バッテリーでの駆動と太陽パネル電池による充電で走るエコカーというコンセプトの車であったが、残念ながら本大会出場に関しては、資金不足のため太陽パネル電池の取り付けに至らず、バッテリーのみでの駆動となった。戻る

(注5)本大会の優勝候補のひとつだったアメリカから参加のミシンガン大学の出場車が、ダーウィンのスタート地点を出た直後、他チームとの衝突を避けるため急ブレーキをかけた自身の先導車にぶつかり、走行が一時不能になるというアクシデントに見舞われた。オーストラリア内部のアウトバックと呼ばれる砂漠地帯での運転にも危険が伴う。アメリカのスタンフォード大学の出場車がパンクに拠り横転し破損、致死傷には至らなかったものの大きな事故となった。レース仕様のソーラーカーは、曲がりくねった道の走行や急ブレーキが苦手である。安全性の面からも、『レースカー』ではなく、より普通の乗用車に近い形状が望まれている。戻る

(注6)本大会総合優勝となったヌーオン・チームは、2003年、2005年の大会に続きこれで3連覇となった。戻る